New 貸倒損失等の税務② 法基通9-6-2,3,債権譲渡等

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「不良債権処理の税務」トータル解説講座 PART2 実務編

新型コロナウイルス感染拡大の経済停滞下における

貸倒損失・債権譲渡の税務処理の実務② 法人税基本通達9-6-2、3及び債権譲渡等の取扱い
講師:税理士 中村慈美

◆収録内容・チャプター
Chapter1 3  法人税基本通達9-6-2、(1)本通達の内容、(2)本通達の要点①②(15:27)
 3 法人税基本通達9-6-2(回収不能金銭債権の貸倒れ(事実上の貸倒れ))について
  (2)本通達の要点
    ①債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合
    ②回収不能の例示
Chapter2 3 (2)本通達の要点③〜⑦(32:08)
    ④貸倒損失の計上時期(その2)……否認されるものは損失計上が早すぎるものが多いが中には遅すぎるものもある。タイミングを失することなく処理をすることが重要
    ⑤損金経理要件
    ⑥担保物処分前の貸倒損失
    ⑦保証債務(事前求償権)と貸倒損失
Chapter3 3 (2)本通達の要点⑧〜⑰(21:36)
    ⑧弾力的取扱い(銀行等)
    ⑨弾力的取扱い(一般事業会社)
    ⑩破産手続終結前の貸倒損失……破産終結決定前でも配当がないものとして扱える弾力的な取扱い
    ⑫行方不明の場合の貸倒損失……行方不明かどうかの判定は全銀協通達は「1年程度」、国税当局者の解説は単に期間の問題ではないと回答
    ⑬人的保証がある場合の貸倒損失……名ばかり保証人であれば全額回収不能という弾力的扱い
    ⑭部分貸倒れ
    ⑮貸倒引当金と貸倒損失の連携……貸倒損失否認後、事後的に貸倒引当金繰入の明細書の提出で認めれる取扱い。あまり知られていない。
    ⑯貸倒損失と寄附金……9-6-2をつかい否認されても寄附金になることはない。9-6-1(4)と大きな違い
    ⑰会計上の貸倒処理との関係
    ・9-6-2のまとめ……対象債権は金銭債権。全額が回収できなくなったときにその年度で処理をする。債権者が9-6-2で貸倒処理しても債務者に債務免除益は生じない。担保がある場合は全銀協通達等を十分みる
Chapter4 4 法基通9-6-3 (1)本通達の内容、(2)本通達の要点①〜④(13:41)
 4 法人税基本通達9-6-3(一定期間取引停止後弁済がない場合等の貸倒れ(売掛債権の貸倒れ特例))について
  (1)本通達の内容……対象債権は売掛債権。損金経理は要件。
  (2)本通達の要点
    ②債権の範囲(営業上の紛争が生じている場合)……9-6-3では貸倒処理は認められない。9-6-3は回収不能の判断について一種の外形基準を適用して簡素化を図ったもの。
    ③備忘価額の意義
    ④備忘価額を付さない貸倒処理……全額が損金不算入。
Chapter5 4 (2)本通達の要点⑤〜⑨(15:43)
    ⑤手形の書換え……最後の弁済期が未だ到来していないため9-6-3は使えず
    ⑥継続的な取引
    ⑧再生手続開始の申立てと売掛債権の貸倒処理……施行令96条1項3号で貸引を繰り入れていても、9-6-3に該当すればできる
    ⑨償却済み債権の取立て
    ・9-6-3のまとめ……一定要件を満たせば帳簿から債権を除くが法律上はなくならない。貸引との組み合わせも検討する
Chapter6 Ⅱ 債権譲渡等の税務上の取扱い 1 不良債権譲渡、(1)概要、(2)税務上の取扱い、(3)本取扱いの要点①〜③(18:04)
II 債権譲渡等の税務上の取扱いについて
 1 不良債権譲渡について
  (1)概要……サービサーが取り扱える金銭債権は特定されている
  (2)税務上の取扱い……法人税法上の問題点は①譲渡した事実と②譲渡価額の適正さの二つ
  (3)本取扱いの要点
    ①譲渡した事実……譲渡人は買い戻す権利及び義務を有していないこと
    ②適正な譲渡価額……時価より高く売れば買った側に、低く売れば売った側に寄附金課税の問題が生じる
    ③債務者関係者への債権譲渡……本当に譲渡をしたのかどうか
Chapter7 1 不良債権譲渡、(3)要点④〜⑦(26:25)
    ④債務者関係者への債権譲渡と相続税……不良債権処理で個人が絡むときは相続税も視野に入れて検討する
    ⑤譲渡取引とグループ法人税制……金銭債権は譲渡損益調整資産
    ⑥低額譲渡等とグループ法人税制……低額譲渡があった場合のグループ法人税制の適用内容
    ⑦債権譲渡損失と貸倒実績率……一括評価金銭債権に係る貸引の計算の貸倒実績率の算定に含めない
Chapter8 2 デット・エクイティ・スワップについて、(1)概要、(2)税務上の取扱い(27:05)
  2 デット・エクイティ・スワップについて
   (1)概要……債務者は利息を払わなくてよくなる。債権者は債権放棄をしなくて済み、将来株式を売ることで回収できる可能性がある。会社更生法では特別な規定あり。
   (2)税務上の取扱い
    イ 現物出資型の場合……債権者が債権を債務者会社に現物出資する
     (イ)債権者側の取扱い……「子会社等」は相当広い。税法において現物出資は譲渡。現物出資をした債権の時価相当の株式を取得したことになる。
     (ロ)債務者側の取扱い
    ロ 現金振替型の場合……債権者が第三者割当増資を引き受けて現金を債務者会社に払い込み、債務者会社はその現金で債務を弁済する。疑似DES。
     (イ)債権者側の取扱い……増資後、債務超過の状態であっても相当期間が経過するまで有価証券の評価損は計上できず
     (ロ)債務者側の取扱い……資本が増加しているだけだから課税上の問題は起こらない。ただ地方税への影響はあり。→(3)⑮へ
Chapter9 (3)現物出資型における債権者・債務者の取扱いの要点⑧〜⑯(21:26)
   (3)現物出資型における債権者・債務者の取扱いの要点
     ⑧法人税基本通達9-4-2との関係……法基通2-3-14でも合理的な再建計画が必要
     ⑨適格現物出資に該当するDES(債権者)
     ⑩会社更生によるDES……消滅する債権の額と取得する株式の価額との差額は貸倒損失。会社更生以外は譲渡損。
     ⑪債務消滅益への対応……期限切れ欠損金を使う。資本金切り下げも検討。
     ⑫適格現物出資に該当するDES(債務者)……原債権者との適格現物出資によるDESでは課税関係は生じず
     ⑬適格現物出資で消滅損益が生じる場合(債務者)……二次債権者がDESを行う場合で適格現物出資であっても債務消滅益が生じる
     ⑭グループ法人税制との関係(債務者)
     ⑮地方税への影響(債務者)……適格現物出資だと資本金等の額が非適格現物出資よりも増える。債務者にとっては適格現物出資は法人住民税を考えるとメリットではない。法人住民税は損金にならない。法人住民税の均等割額の適用表は事業再生を検討するときに参考になる。
     ⑯債務者における債務免除(消滅)益課税……サービサーが扱う特定金銭債権に当たるのであれば第三者に売却するのが無難
     ・DESのまとめ……内容は現物出資。完全支配関係があるとグループ法人税制が適用になる。民法520条の混同消滅も関係する。

公開日: 2020年08月28日 12:57