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2、EPA利用事例紹介

2、EPA利用事例紹介

インドネシアに油圧ショベルを輸出する際のEPA(経済連携協定)の利用手続きを説明。EPA利用の流れは3つのステップからなり、1)関税削減効果の確認、2)日本の原産品であるかの確認、3)原産地証明書の発行です。EPAを利用すると、油圧ショベルの関税が0%になり、輸入者は100万円の差額が生まれるメリットがあります。しかし、すべての製品が0%の税率になるわけではなく、HSコードや輸出国の協定により異なる税率が適用されます。また、EPA利用のメリットを確認する前に、関税率や税率を調べる必要があります。原産品であるかの確認は、日本での最終生産・加工、品目別原産地規則のクリア、根拠書類の立証の3つの条件を満たす必要があります。

 

品目別原産地規則は、非原産材料から作られた産品が原産品かどうかを判断するための基準を定めたものです。例として油圧ショベルが挙げられ、日本での十分な生産・加工が確認される必要があります。この「十分な加工」の判断基準は、HSコード(CTC)や金額(VA)で決められます。HSコードはHS条約の附属書による約1200の項の番号で、貿易や輸出入の際には、各商品に番号が付与されます。この番号は、類・項・号という区分で表され、詳細さが増すごとに特定の商品や部品を指し示します。EPAでは、HSコードを基準に品目別原産地規則を判断します。具体的には、産品のHSコードと材料のHSコードを比較し、必要な桁数が異なる場合、その産品は日本の原産品として認められるのです。簡単に言うと、品目別原産地規則は、ある商品がどの国の原産であるかを正確に判定するためのルールや基準を定めたもので、HSコードの比較を中心とした方法でその判断がなされます。

 

原産品の判定にはVAルールという基準が存在します。VAルールでは、商品が日本での生産・加工により、価格に対し一定の付加価値が出ている場合、その商品を日本の原産品とみなします。具体例として、油圧ショベルが挙げられ、材料費を除いた価格がその商品価格の60%を占める場合、この60%は日本で生み出された価値の部分に該当します。インドネシア協定の基準である40%を超える場合、その商品は日本での十分な加工が施され、原産品として扱われます。しかし、CTCルールやHSコードの条件を満たさない場合でも、付加価値の部分で基準を満たす、または材料が原産基準を満たしているかの確認を通じてクリアする方法も存在します。このような原産品の判定は、EPAを活用する際の重要な条件であり、CTCルールやVAルールの理解が求められます。

 

すべての製品がEPA税率で輸入されるわけではありません。EPA協定や輸出品ごとに、CTCやVAのような品目別原産地規則を満たす必要があり、これを証明する原産地証明書の提出が求められます。例えば、インドネシアへの輸出に関しては、日本商工会議所からこの証明書が発行され、輸入者はこれを輸入国税関に提出することでEPAが適用されます。大きな協定が発効された際に、ニュース等で「EPAがすぐに適用できる」との報道があることがありますが、実際には原産品であることの証明や、原産地証明書の手続きが必要です。単に通関しただけではEPAが適用されず、これらの手続きを経て初めて関税が特別に引き下げられる制度となります。

 

【まとめ】

以下の4つの主要なポイントについてお伝えしました。

  1. EPAの利用は、現代のグローバルビジネスの常識となっています。
  2. EPAを営業戦略として有効に活用することができます。
  3. EPAを活用するためには、製品が原産品であることを証明する必要があります。
  4. その上で、EPAの原産地証明書を輸入国税関に提出することが求められます。

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